建物を売却して利益が出た場合には税金を納める必要がありますが、それが自宅だった場合には税金が優遇される特例があります。代表的なものを3つ紹介します。
●まず「利益が出る」とは
税金を計算するときの「利益が出る」は、土地建物を売却したときの税金の計算で説明している通り、「所得がある」ということになります。
自宅とはもちろん建物ですので、取得費からは必ず減価償却費を引かなくてはなりません。まずはリンクを参照して、利益=所得を把握することが大切です。
●自宅を売却して所得が出た場合には、税金が少なくなることがある
自宅を売却したときの税金が優遇される制度では、どの制度も共通して「その自宅に売却の時まで実際に住んでいた※」事実が重要です。
※先に新居に引っ越したあと売却した場合には、住まなくなってから3年経った日の年末までに売却していれば適用できます。その場合でも引っ越す前まではその自宅に住んでいた事実が重要です。
・自宅を売却した場合の3,000万円控除の特例
上記の自宅を売却して利益が出た場合は、基本的にその利益のうち3,000万円までは税金がかかりません。
ただし、この特例と住宅ローン控除を同じタイミングで適用することができないため、どちらを選択する方が有利かを計算する必要があります。 他にもこの特例を受けられない場合がありますので、実際に適用を考える時には、国税庁ホームページのチェックリストで確認することをおすすめします。
・自宅を売却した場合の軽減税率の特例
上記の自宅で、売却した年の年初で所有期間が10年を超えているものを売却して利益が出た場合は、3,000万円控除の特例に加えて、軽減税率の特例が受けられます。
すなわち、所得が3,000万円を超えた場合でもその超えた部分の所得が6,000万円までは、税率が14%(所得税と住民税。このほかに復興特別所得税がかかる)となります。
こちらも3,000万円控除の特例と同じく適用することができない場合があるため、チェックリスト(東京国税局令和5年度のチェックシート)で確認することをおすすめします。
・買換え特例
上記の自宅で、売却した年の所有期間と居住期間が10年を超えているものを新しい自宅に買換え、その売却した方の自宅に利益が出た場合は、買い換えた新居を売却するときまで課税を繰り延べる特例があります。
この特例の適用には、売却価格が1億円以下など他にも注意点があるので、適用を考えた場合は専門家に相談することをおすすめします。