亡くなった方が残した財産に相続税がかかるかどうかなどを把握するには、その財産の額を計算する必要があります。
申告する場合には正確に評価額を計算する必要がありますが、相続税がかかるのか、どのくらいかかるのかを感覚的につかむのであれば、正確でなくとも、おおまかな財産の評価額を一覧にしておきましょう。
●現預金・株や投資信託・生命保険金・死亡退職金
現預金は亡くなった日の残高、株式等は亡くなった日の時価、生命保険金や退職金は受け取った金額を一覧にしておきましょう。
●土地(宅地)
①固定資産税評価額÷0.7×0.8で計算してみる
固定資産税評価額は、公示価格のおおむね7割に設定されているといわれています。また、相続税評価額は公示価格のおよそ8割といわれています。
したがって、固定資産税評価額から類推しておおよその相続税評価額をつかむやり方です。
②路線価×地積で計算してみる
毎年7月に国税庁から「路線価」というものが公表されます。路線価は都市部の道路に付されている値段で、土地の相続税はこの路線価をもとに計算されます。土地の一面だけが道路に面している場合は、この路線価に土地の平米数をかけておおよその評価額を出してみます。
実際には土地の形状などにより評価が下がることもありますが、計算が複雑かつ知識が必要となりますので、この計算でざっくりと評価額をつかんでみます。
●建物
建物は、自宅であれば固定資産税評価額そのままが評価額となります。
●賃貸している土地建物
賃貸しているマンションアパートがある場合は、次の算式によります。
(土地)上記①か②で計算した価額(ア)―(ア)×借地権割合×借家権割合×賃貸割合
(建物)上記建物で計算した価額(イ)―(イ)×借家権割合
※借地権は国税庁ホームページの「財産評価基準書 路線価図」に載っています。借家権割合は0.3です。
他人に土地や建物を貸している場合は、自分の土地や建物ではあるものの、自由に使用したり処分したりがしづらいため、相続税の財産評価が低くなります。
上記は一般的に金額が大きい財産を挙げましたが、他にも金額が大きい財産がある場合は、その財産の評価も含めて試算します。相続税の計算で一番ハードルが高いのはこの財産の評価の仕方なので、難しいと感じられたら専門家に相談されることをおすすめします。