遺言書、何から書けばいい?AIと一緒に作ってみた

終活を考え始めたとき、「遺言書を書いておいた方がいいのかな」と思う方は多いはずです。
しかし実際には、何をどう書けばいいのか分からず、かといって専門家に相談するのも気が引けて、結局そのままになってしまう人も少なくないでしょう。
そこで今回は、AIに相談しながら遺言書を書いてみることにしました。

遺言の種類

まずは基本的な予備知識として、書く遺言の種類を確認します。→遺言を作るにはどんな方法があるか

事前準備

今回、AIに入力する前に、以下の情報を整理しました(架空の事例です)。

項目内容
使用した生成AIClaude
遺言者
相続人長男・長女
対象資産自宅土地:4,200万円
自宅建物:1,000万円
預金:2,000万円
株式:2,000万円
合計:9,200万円
分け方の希望自宅不動産は同居する息子に。他の財産もなるべく多くを息子に譲りたい

生成AIに聞いてみた

まずは遺言者の情報をそのままAIに入れて、遺言を作成したい旨と、必要書類を聞いてみました。

この遺言での最大の問題点は、もらえる財産が少なくなる長女の遺留分です。そのことをきちんと指摘してくれています。
また、最初はかなりラフに質問をしましたが、いきなり必要書類を提示せず、前提条件で足りない部分を逆に聞かれました。
聞かれるつど情報を足していきます。また、その情報を得るための書類も提示してくれます。

若干、条文の引用の仕方が気にならなくもないですが…まあ、遺留分は合っていますし、作成するのに影響はありません。
補足情報を入れると、だんだん正確になっていきます。

今回の遺言書作成では、AIは公正証書での遺言を推奨しています。
ですからまず、公正証書遺言作成のための必要書類と手順を教えてくれました。
ここまであると、最初のハードルがかなり低くなると思います。

遺留分の試算と遺留分を考慮した配分のパターンを提案してくれました。
ちなみにこの財産額は、相続税評価額を想定しています。
実際の相続では、この遺留分の計算のもとになる財産の額をいくらと考えるのかが問題になることもあります。
AIだけで完結できないのは、こうしたところにも原因があります。

このブログでは、AIとのやりとりすべてを書けませんでした。
なぜなら上記のように、AIが足りない情報を確認しながら、ステップバイステップで遺言書の下書きまで作成したので、
やりとりがとても長くなったからです。
AIが勝手に判断せず慎重なのは好感が持てるのですが、いっぽう、AIの質問に答えるのにもそれなりに知識や判断力が必要だということもわかりました。
上記の「次に確認したいこと」の内容に答えるのは、知識や経験がないとけっこう難しいです。

文案と必要書類チェックリスト、今後の進め方を答えてくれました。
文案は今後公証人と作成していくので参考程度になりますが、
必要書類のチェックリストと今後の進め方はとても有益です。

同じ前提で、自筆証書遺言にしようとしたところ、きちんとリスクが伝えられました。
そして法務局の保管制度を利用する場合の手続きの流れもあげられていました。
自筆証書遺言の文面案もありましたが、専門家のチェックが入らない点で、そのまま使うのはちょっと怖いですね。
法務局の保管制度利用の場合は、遺言書の外形的なチェックは入ると言われています。

まとめ 印象

遺言を作ろうと思っても、一歩を踏み出すのに時間がかかる、というのはよく聞きます。
AIがその一歩を踏み出すハードルを下げてくれることは確かです。
また遺言作成に必要な資料の提示や、注意すべきリスクについての情報も提供してくれます。
もちろんその情報が正しいかどうかの検証は必要ですが、全体像やイメージはつかみやすくなります。
ですから「やらなきゃと思っているけど…」という状態が続いているのであれば、
一度AIに相談して一歩ふみ出してみるのもいいでしょう。

とはいえ、AIはあくまでも人間が使う道具です。
使う人の質問のしかたや指示の出し方で結果が変わりますし、
AIが提供した情報をどう受け取るか、その後の判断にどう責任を持つかは結局使う人しだいです。
自分が書いた遺言が影響するのは、自分ではなく家族です。
最終的に向き合い、対話すべき相手はAIではなく家族であることは、間違いないと思います。