相続に関するご相談では、どうしても専門用語を使わなければならない場面が多くあります。
ここでは相談の際に共通言語として知っておいていただきたい用語を解説します。
用語の中には法律で厳密に定義が決まっているものもありますが、今回は「初めて相続の相談をする方が、これだけ知っていれば相談がスムーズに進む」という観点から説明しています。そのため、法律上の正確な定義とは厳密には異なる部分がある点は、ご了承ください。
被相続人、相続人(法定相続人)とは
「被相続人」は亡くなった方、「相続人」は民法で定められた、財産や債務を受け継ぐ資格のある方のことです。
ややこしいのですが、民法と相続税法とでは「相続人」の範囲が違う場合があります。
そのため、相続税法上の相続人を、便宜的に「法定相続人」と呼ぶことがあります。
相続開始日、相続のあった日とは
一般的には「亡くなった日」を指します。
「相続のあった日(相続開始日)」は、相続税の申告期限をはじめ、さまざまな手続きの期限を数える基準になることが多いため、押さえておきたい日です。
基礎控除額
基礎控除額には、相続税の基礎控除額と贈与税の基礎控除額があります。
どちらの税も、課税の対象になる財産の額が基礎控除額以下であれば、原則として申告の必要はありません。
生前贈与
言葉のとおり「生きている間にした贈与」のことです。
ただし、ここでいう贈与は、法律上の贈与を指すため、本人が贈与のつもりでも、法律上は贈与にならないケースがあります。
また、生前贈与したからといって、その財産に相続税がかからないわけでもありません。
この2点は誤解しやすいところですので、注意が必要です。
法定相続分とは
相続人が遺産をどのように分けるかを定めた民法の条文があります。
ただし、必ずこの条文どおりに分けなければならないわけではありません。
話し合いがまとまらず、舞台が裁判所にうつった場合には、定められた法定相続分が基準となります。
遺産分割協議
相続人どうしで遺産の分け方を話し合って決めることです。
この内容を正式な文書にまとめたものが遺産分割協議書です。
遺留分とは
被相続人の遺言があった場合に出てくる考え方です。
どのような遺言の内容であっても、相続人に最低限保障される遺産の取り分をいいます。
誰が遺留分を持つかは、相続人の構成により変わります。また、相続人であれば必ず遺留分を持つというわけでもありません。
たとえば、兄弟姉妹が相続人になることはありますが、その兄弟姉妹に遺留分はありません。
一次相続、二次相続
今回発生した相続、または対策の対象となる相続を「一次相続」、その次に起こると予想される相続を「二次相続」といいます。
おもに相続対策の場面でこの言葉が使われます。
二次相続がいつ頃おこりそうか、どの世代への相続かで、有効な対策が変わります。
小規模宅地等の特例とは
土地の相続税評価で使われるもので、相続税がかからなくなったり、減額される制度として知られています。
内容はこちらで紹介しています。
よく知られている一方で、内容自体は複雑で、適用の条件も慎重に検討する必要があります。ですから実際使う際は、専門家のサポートを受けることをおすすめします。
配偶者の税額軽減
これも「配偶者には相続税がかからない」「配偶者は1億6千万円までは相続税がかからない」といった理解で広く知られている制度です。
これは「一次相続、二次相続」の考え方とあわせて使われることがよくあります。
一次相続では配偶者に相続税がかからなかったとしても、その分の財産が二次相続でまとめて課税され、結果的に負担が大きくなることもあるからです。
相続の場では、普段は耳にしない専門用語がたくさん出てきます。
その中でもよく使われる基本的な言葉をいくつか知っておくだけで、相談の場がお互いにより有意義なものになります。参考にして相談へのハードルを少しでも下げるお手伝いになれば幸いです。







