「タンス預金は申告しなくても大丈夫」
そんな無責任なアドバイスを、ネットや身近な人から受けることがあるかもしれません。
では実際のところ、タンス預金は本当にバレないのでしょうか?
相談者の状況
被相続人は長年病気を患い、入退院を繰り返していた。
相続人は「相続にそなえて銀行からお金を下ろしておいた方がいいよ」と周りからアドバイスされていた。
相続がおこったときに、家には5,000万円もの現金が置いてあった。
このような多額な現金をどうしたらいいか聞くと、「家にあるものは申告しなくても大丈夫」「これは前に贈与で自分がもらったんだと言っておけばいい」と言われた。
相続人は、本当に申告しなくていいのか、また、家にある現金はどうしたらいいのか、不安になって相談に訪れました。
家にあるお金のことがどうしてわかるのか
そもそも5000万円ものお金はどうやって手に入れたのでしょうか。
コツコツ貯めていたとしても、5000万円を50年間で貯めるのに1年で100万円を使わずにしまい込んでおくことになります。
ということはそれなりの稼ぎがあったはずです。
この「稼ぎ」は確定申告や源泉徴収票で税務署が把握しています。
あるいは不動産や株の売却で一度に現金が手に入ったのかもしれません。
不動産や株の売却は税務署に報告がいきます。
相続がおこったとき、税務署は被相続人の財産規模をある程度把握しています。
申告額がその見込み額と大きくかけ離れている場合または申告自体がない場合は、税務調査の対象になります。
また、税務署は相続前後の銀行口座の動きもチェックします。生活費にしては明らかに多すぎる引き出しがあれば、当然生活費以外はどうしたのかを調査しに来ます。
相続人は自分のお金だと言い張れる?
見つかった時、相続人が「これは自分がもらったものだから相続財産ではない」と言い張れるでしょうか。
1年に110万円の贈与までは贈与税がかかりませんが、そもそも贈与が成立するためには「お互いにあげた、もらった、の意思確認ができていること」が必要です。
これを証明する贈与契約書などの証拠がないと、「自分がもらった」と主張するのは難しくなります。(→「贈与したつもりなのに贈与になってなかった」)
多額の預金があって相続税の節税をしたいと考えるのであれば、生前から合法的な対策を打つ必要があります。
銀行から下ろしたお金は現金として申告する
タンス預金があること自体は問題にはなりません。要はそれを正しく申告しているかどうかです。
ですからタンス預金の金額を現金として申告します。
その後、相続人がタンス預金にしておく必要を感じないのであれば、銀行に預けなおすことになんら問題はありません。
ネットだけでなくリアルな第三者でも無責任なことをいうことはあります。
根拠のある正しい情報かどうかを見極めて行動することは、AIでもネットでもリアルでも変わりなく私たちに求められていることなのかもしれません。
今回の相談者の方も、相談することで不安が解消し、安心して申告をすることができました。
もちろん相続税は少なくなるに越したことはありません。
隠すことで税金を減らすのではなく、法律にのっとって節税することはできます。
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